歴代受賞者

1995年(第11回)日本国際賞受賞者

材料プロセス技術分野
化合物半導体の物理的原理の洞察及びプロセス技術に基づく創造的業績を通しての発光ダイオード及びレーザーなど、オプトエレクトロニクスにおける基礎研究並びに実用化に対する顕著な貢献

 

写真

ニック・ホロニアック・ジュニア博士(米国)

イリノイ大学教授
1928年11月生まれ
授賞理由

 ホロニアック博士は米国イリノイ州に生まれ、イリノイ大学卒業後1951年修士号を、次いで1954年電気工学における博士の学位を取得した。同年ベル電話研究所に入社し、ただちに固体拡散技術による新型トランジスタ開発の研究開発グループで重要な寄与をする傍ら、半導体プロセス技術の研究を続けた。1957年ゼネラル・エレクトリック社に移り、まずp型半導体とn型半導体とを組合せたスイッチの研究を進めて今日広く使われているシリコン・コントロールド・レクチファイア(SCR)の開発に成功した。

 これは現在家庭からTV放送局まで広範囲に実用化されている。

 ホロニアック博士は1959年から化合物半導体の研究に着手し、化合物半導体の興味ある電子特性を明らかにするとともに、化合物半導体の結晶成長プロセス技術の先駆的な方法を次々に開発した。1960年以降、自ら開発した化合物半導体プロセス技術によって、GaAsPという半導体をもとにp型半導体とn型半導体の接合からの可視光の発光現象を徹底的に研究し、現在実用化されている発光ダイオードの最初の発明者となった。

 1962年、この開発研究をさらに発展させ、同博士は世界で初めて可視光の半導体レーザーの実現に成功された。

 1963年、同博士はイリノイ大学の教授として母校に戻り、化合物半導体のより深く広範な研究を開始した。それまで誰も試みなかった、3つ及び4つの原子を組合わせたもの即ち3元、4元の化合物半導体、InGaP、InGaPAs、AlGaAsPなどの電子物性を深く掘り下げ、物理学的にも実用的にも、全く新しい挑戦を開始し、半導体の禁制帯幅並びに格子定数を独立に制御することを最初に明らかにし、これによって今日のオプトエレクトロニクスの隆盛への道が開かれた。

 1976年以降、量子物理学的立場から量子井戸と云う新しい構造を考え出し、1978年それをもとにして初めて高性能な室温連続発振の量子井戸構造レーザーの開発に成功した。

 この量子井戸の概念は、現在オプトエレクトロニクスのみならず量子効果デバイスへと発展しつつある。

 以上のように同博士の業績は化合物半導体による発光ダイオード及び半導体レーザーなど、オプトエレクトロニクスにおける基礎研究並びに実用化に対応する広範囲な創造にあふれたものである。

 以上のようにホロニアック博士の業績は、1995年、即ち第11回日本国際賞に誠にふさわしいものである。

Google
Japan Prizeサイト内検索
インターネット検索

受賞者

Japan Prize 30年の歩み

page top