歴代受賞者

1996年(第12回)日本国際賞受賞者

情報、コンピュータ、および通信システム分野
広帯域・低損失光ファイバ通信の先導的研究

 

香港中文大学学長
1933年生まれ
授賞理由

 今世紀末から次世紀初頭にかけて大きな社会的変革をもたらすであろうとして期待されている情報通信ネットワーク構築は、最近の通信技術の進歩に負うところが大きい。そのなかでも、大容量の情報を低損失で送ることができる光ファイバ通信技術の発展は、こうした進歩の流れを強く推進してきた。その光通信システムは、光を伝える光ファイバ、光源の半導体レーザー、光を受けるフォトダイオード、そして光の流れを制御する各種の光部品などで構成されている。特に、光ファイバは単一モード伝送の状態で極めて低損失で、大容量の信号伝送に適し、その上に細くて強く、そして曲げやすいなどの 優れた特徴を持ち、光通信技術の発展を推進する原動力となった。

 光通信の研究は1960年のレーザーの発明により実質的に開 始されたといってよく、光源、伝送路、そして光検出器などの研究が同時に行われ始めた。受賞者のカオ博士は、1966年にホッカム氏と共に発表した論文で、単一モード光ファイバが大容量の伝送路に適し、予測される損失の大きさや許容される光電力の大きさから伝送距離を測定するなどして、単一モード光ファイバを用いた大容量光通信の可能性を具体的に予測した。その後、1970年にコーニング社で低損失光ファイバが開発され、その後の低損失大容量光ファイバ通信の実用化が大きく推進されてカオ博士の予見が現実のものとなった。このようにカオ博士らの研究はこうした一連の光ファイバ伝送路開拓の先駆的で、先導 的な役割を果たしたものであり、その後の光通信技術の発展に大きな影響を与えたものとして国際的に極めて高く評価されている。

 以上に述べたように、カオ博士は、光ファイバが極めて低損失で広帯域な情報伝送の可能性があることを予見するとともにその基礎的実証を行うことにより、現在、広く使われることになった光ファイバ通信開拓に大きなインパクトを与えた。

 よって、カオ博士の業績は、1996年(第12回)日本国際賞に誠にふさわしいものであります。

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