歴代受賞者

2005年(第21回)日本国際賞受賞者

細胞生物学分野
細胞接着の分子機構解明における基本的貢献

独立行政法人理化学研究所
発生・再生科学総合研究センター長
1943年生まれ
バーナム研究所教授
1940年生まれ
授賞理由

 細胞接着は、組織や器官の構築において基本となる重要な現象である。細胞接着は細胞と細胞の接着、そして細胞と細胞外マトリックスの接着に大別できる。 竹市雅俊博士は前者のそしてエルキ・ルースラーティ博士は後者の分子機構の解明に関して決定的な役割を果たした。

 竹市博士は、まず、細胞間接着がカルシュウム依存性と非依存性に区別できることを示した。そして、細胞の特異的選別において主役を果たすカルシュウム依 存性接着機構の解明に努力を集中した。竹市博士はこの接着分子が細胞によって異なることを発見し、上皮細胞性の分子をE―カドヘリン、神経細胞性の分子を N―カドヘリン、胚体外細胞性の分子をP―カドヘリンと命名した。そして分子クローニングしたE―カドヘリンのcDNA導入によって、この分子が細胞間接 着を直接司ることを証明した。それぞれのカドヘリン分子は構造的に類似していて、ファミリーを形成した。さらに竹市博士は、EはEと、NはNというように カドヘリンがホモフィリックな結合をすることを証明した。そして胚発生の過程でのカドヘリン分子群の発現変化を調べ、そのホモフィリックな結合が細胞間の 選択的接着の基盤であることを確立した。

 ルースラーティ博士はフィブロネクチンの機能部位を解析し、細胞結合部位としてRGD配列を同定した。つぎに、ルースラーティ博士はフィブロネクチンと 結合する膜分子すなわちフィブロネクチン受容体の単離に突き進んだ。そして、フィブロネクチン・カラムからRGDペプチドによる溶出という独創的手法で、 この課題を達成した。フィブロネクチン受容体は2本のポリペプチドからなるヘテロ2量体であった。ひきつづいて、ビトロネクチン受容体を同定し、これが フィブロネクチン受容体と類縁の分子であることも示した。今日では、これらの分子群はインテグリン・ファミリーとして知られている。

 両博士の業績は細胞接着の複雑な現象において、中核となる素過程を抉り出し、その機構を分子レベルで解明することに成功したという共通性を持っている。 また、両博士の業績は転移癌など多くの難病の原因解明と治療法の開発にも基本的に寄与することと期待される。

 

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