ストックホルム国際青年科学セミナー

2005年派遣学生

写真赤井 大介
京都大学大学院工学研究科機械理工学専攻
 

 2005年12月4日から11日までの一週間、ストックホルム国際青年科学セミナー(SIYSS)に国際科学技術財団から派遣していただきました。12月3日は大学で夜遅くまで作業をしており、数十時間後にストックホルムに立っていることが不思議な感じがしていました。しかし、いざストックホルムに到着してからの一週間は、諺にもあるようにあっという間に過ぎていったような気がします。

 この一週間には何があるのでしょうか?科学に携わるものにとって特別な意義のあるノーベル賞に関わる数多くのイベントが、毎日のようにストックホルムのあちこちで行われる貴重な一週間です。授賞式はもちろんのこと、ノーベル賞受賞者によるレクチャー、記者会見、祝賀パーティーなど様々なイベントが行われるのです。SIYSSには世界16カ国から科学者を志す25名の学生がストックホルムに集い、これら多くのイベントに参加することができるのです。

 このSIYSSに応募したのは、研究室でのミーティングで教授からの連絡事項を聞いたのがきっかけです。“普通に考えて体験できないことが体験できるぞ。応募しない理由がない”と思い、課題である小論文を書き始めたのです。学内での選考段階で一人しか選ばれないので、自分の書いた小論文ではダメだろうなと思っていたのですが、大学の事務局から選ばれた旨の連絡を受けたときは意味が理解できなかったというのが正直な気持ちでした。そのあとは財団の事務所で面接と小論文があり、とても和やかな雰囲気で全てが終了し、数日後、派遣決定の連絡を受け取ったのです。

 今年の参加者は18から20歳の学生がほとんどであり、このSIYSSに参加者として選ばれるための独自のプロジェクトを持っていました。プログラム中に自分の研究テーマについて発表する機会があり、私も自分のテーマについて発表しました。その中で私が面白いと感じたことは、参加者の多くは自分の国特有の問題点に目を向け、その問題点に的を絞ったプロジェクトを持っていたことです。例えば,動物愛護の問題,貧富の差が大きい社会での食糧配給問題、環境問題、エネルギー問題など様々です。学部生である彼らは好奇心も強く、自分が知りたいと思う気持ちに正直で、自分なりに行動を起こしている姿はすばらしいと思いました。何かの批判をすることや、うらやましく思うことは簡単ではあるが、自分の今おかれている環境の中で何か新しいものを見つけ、能動的に行動を起こす精神は学ぶべき姿だと思います。研究内容の質がどうのこうのではなく、科学に対して“知を愛する”精神が大きな成果をもたらすのだと改めて認識しました。世界中の多くの学生が取ろうとしているPh.D. この中のPhilosophyにはその意味が含まれているのです。受賞者の中にも真剣に取り組める大きな課題を見つけ出すことが科学の世界では重要であり、自分の能力を十分に生かせるような環境を選ぶこともまた重要であると言われたのが印象的でした。以上が一週間を通して私が感じたことです。

 SIYSSの醍醐味はノーベル賞授賞式に参加できることだと思います。世界各国の著名な人が招待されていることを考えても、ノーベル賞は世界中で注目されています。またスウェーデンの科学を重視した社会体制をうかがうことができ、科学者を応援する立場も重要であると確信しました。

 日本からの参加ということで私は羽織袴で参加しました。多くの人が燕尾服の中でとても目立っていたようです。日本の文部科学大臣からも声をかけられ、地元テレビ局の有名なキャスターからも声をかけられ、他の参加者からは写真を取られ、もちろん袴でダンスをし、興奮する一夜を過ごしました。目立ちたい方は袴がお薦めです。

 私にとって大きな意味を持つ一週間を過ごすことができました。この一週間で得られた経験を生かし、これからも自分の道を切り開いていきたいと思います。最後にこの貴重な機会を与えてくださった皆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。


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