ストックホルム国際青年科学セミナー

2006年派遣学生

写真堀内 崇真
和歌山県立医科大学医学部医学科
 

 2006年12月4日から10日までの”Nobel Week”である一週間、私はストックホルム国際青年科学セミナー(SIYSS)の日本代表としてスウェーデンのストックホルムに派遣させていただきました。この時の貴重な経験、またそこから得たことなどを述べたいと思います。

 まずこの”Nobel Week”の一週間の間にどのようなイベントがあるのかというと、Welcome Partyに始まり、ノーベル博物館や大学の研究機関の見学、そして王女様との謁見、これに加えて勿論ノーベル賞受賞者の記者会見への参加、記念講義そして最終日に行われたノーベル賞授賞式への参加と本当に毎日が忙しくもあり感動を覚える盛りだくさんのスケジュールでした。

  16カ国から22人の学生が今回SIYSSへ参加しました。その中にはウガンダや南アフリカからの参加者もいて普段なかなか交流する機会がないので、お互いの考え・文化を話し合うことができて本当に貴重な体験ができました。驚かされたのは、今回の参加者の多くは僕らよりも若かったのですが、自分の研究テーマをしっかり持っており、なおかつセミナー発表時にそれを堂々と地元の高校生等の前で英語でプレゼンテーションしていたということでした。このSIYSSに参加者として選ばれるための独自のプロジェクトを持っている学生もおり、また参加者の多くは自国特有の環境問題やエネルギー問題に目を向け、その問題点に的を絞ったプロジェクトを持っていました。参加者の多くが若いというにもかかわらず、自分の興味のある分野・領域を見つけて周りからではなくて自発的に研究に取り組んでいるという姿勢が伺え知れました。初日に行われたWelcome Partyの際にも自分の研究テーマについて熱心に語っていたことは勿論のこと、他の学生の研究内容についても本当に熱心に聞き学術交流をしていたことも印象的でした。学生発表が終わると地元の高校生と、いかに速く走るモノレールをつくれるかというワークショップという形での交流があったのですが、その際にスウェーデンの学生の科学に対する好奇心が強いことやこのような優れた環境に置かれているということを伺い知ることができ、これがゆくゆくはスウェーデンの科学に対する意識の高さにつながっていくのだと実感しました。
これらのことは、今回SIYSS 2006へ参加してなければ決して得ることができない体験でした。

 また、何といってもSIYSSにおけるハイライトはノーベル賞受賞者に自分が持っている疑問を投げかけたり、ノーベル賞授賞式に参加しその場の雰囲気を満喫できたということだと思います。世界各国から著名な人々が招待されており、スウェーデンでは授賞式の一部始終がテレビで放送されていることを考えるとノーベル賞は世界中で注目されていると思います。晩餐会では今までに食べたことのないような料理を食べたり、社交ダンスをしたりと素晴らしい時間を過ごせました。

 SIYSSを通じてノーベル賞関連の様々なイベントに参加して特に印象に残ったことは、受賞者だからといって僕らの手の届かないような存在というのではなく、そこに集まった皆でその喜びを共有しようという雰囲気があることでした。ノーベル博物館では偶然受賞者に遭遇したのですが、その時も嫌な顔ひとつせずむしろ向こう側から話しかけてくれました。記者会見やレセプションの場では、受賞者の方々が僕たち学生を含め誰の質問にも答えてくださる姿が印象的でした。

 今回のストックホルムで体験した”Nobel Week”は忙しかったですが、普段では決して経験できないような本当にすばらしい私にとって大きな意味を持つ一週間を過ごすことができました。このような素晴らしいスケジュールを綿密に組んでもらったスウェーデンのコーディネーターの皆さんには、感謝の気持ちで一杯です。現地ではSIYSSと言えば皆がすぐ理解して貰えるほどその存在は大きく、ここでも科学に対する考え方に日本とは根本的に違いがあると痛感しました。こうした活動を支援するスウェーデンは素晴らしく見習うべき点であると思いました。

 最後になりましたが、このような本当に貴重な機会を与えてもらい、応援してくださった多くの方々に感謝いたしますと同時に、この一週間で得られた経験を活かし、科学のよりよい発展に貢献できればと思います。


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