ストックホルム国際青年科学セミナー

2007年派遣学生

写真中尾 宏規
東京大学薬学部薬学科
 

 私は国際青年科学セミナーに日本代表として参加しました。このセミナーは、毎年12月4日から10日までのノーベル週間に、ノーベル財団の後援を受けて、スウェーデン青年科学者連盟が開催しているものです。今年度のセミナーには、世界16カ国から25名の科学者の卵が参加しました。彼らは、各国の科学コンテストなどで優勝し、その国の代表に選ばれた人たちです。そのような優秀な人たちと貴重な時間を共有できたことは私にとって大きな糧となりました。また、ノーベル賞に関連する各種行事にも参加することができ、受賞者の方々と直接お話する機会もありました。彼らは、偉大な賞を取ったにも関わらず、少しも偉ぶったところがなく、一学生に過ぎない私にも気軽に接してくれました。そして、最後には、ノーベル賞授賞式という歴史的な瞬間を目の当たりにすることができました。以下では、私がこのセミナーを通じて感じたことを書いていきます。

(1)研究に対する姿勢に対して  

 以前参加していた勉強会でお世話になっていた先生が、次のようなことをおっしゃっていました。外国の学生と日本の学生の一番の違いは、外国では研究テーマを自分で決めるのに対して、日本では教授から与えてもらうことだ、と。初めてこの話を聞いたときは、あまり実感が湧かなかったのですが、今回の体験を通じて、本当にそうなのかもしれないと思いました。セミナーでは、参加者が各自の研究成果について数百人の聴講者の前でプレゼンテーションをする機会がありましたが、各国からの参加者たちは、自分の研究内容をいきいきと力強く発表していました。また、他の参加者の研究内容に対しても積極的に質問していて、強い好奇心を持って自ら積極的に研究に取り組むという像を感じることができました。研究内容としては、地域に根ざした研究が印象に残りました。例えば、オーストラリアからの参加者は、干ばつの解決策について研究していました。また、ウガンダからの参加者は、ハーブをいかに治療に役立てるかについて研究していました。このように、自分自身に直接関係していると実感できるようなことを研究していることも、彼らの好奇心を刺激する助けとなっているのではないかと思いました。彼らの研究に対する姿勢については、自分を含め、多くの日本の学生が見習わなければならないところがあると思います。

(2)研究のレベルについて

  研究のレベルに関しては、日本は各国に引けを取らないと思いました。私は、ゲノム・遺伝医学の分野の代表として今回派遣して頂いたのですが、少なくともこの分野に関して、他の参加者が行っていた研究内容は、似たようなことを自分自身でやったことがあるか、友人がやっていたりするものでした。日本の研究内容は第一線のものである、と自信を持つことができました。しかし、諸外国では、研究を行うインフラが整っていないのにも関わらず、高度な研究を行っている国もあり、そのような国の環境が整った時、日本は研究の第一線で活躍することができるのかという危機感を持ちました。この危機感を杞憂に終わらせることができるよう、自分の研究を含め、さまざまなことに興味を持ち、積極的に取り組んでいかなければならないと感じました。

(3)語学力について

  語学力は日本人が弱いとされることで有名ですが、私は今回のセミナーを通じて、まさにその通りだと思いました。今回のセミナーに参加した人たちは第二公用語までに英語が含まれている人たちが多く、そうでない人も含めて、全員がネイティブクラスの英語力を持っていました。俗にいう、日常会話ができる、ビジネス英語ができるといったレベルでは、正直遅れを取ってしまうように感じました。大学4年間で英語はかなり勉強してきたつもりでしたが、これからもさらに磨きをかけていきたいと思います。具体的には、映画などが字幕無しで100%聞け、込み入った話も流暢に話すことができるというレベルを目指したいと思いました。

 以上、とても個人的な報告になってしまいましたが、読んでくださった方はありがとうございます。何はともあれ、このセミナーでは、本当に貴重な体験をさせていただきました。これからセミナーに参加するチャンスがある人には、是非とも積極的に挑戦して欲しいと思います。最後になりましたが、今回、このような機会を提供してくださった国際科学技術財団の方々に、この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。


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