研究助成一覧

2011年

1分野10件、計20件の募集を行い、選考委員会による厳正なる選考の結果、次の若手研究者20名の研究テーマが採択されました。

「情報・通信」分野

超高解像度画像による質感表現の研究
iwasaki

和歌山大学システム工学部 准教授
岩崎 慶

助成額 100万円

近年、ディスプレイの性能向上に伴い、高解像度画像生成の必要性が高まっている。 一方、物体表面の質感を表現する手法として、物体表面の一部を様々な方向から撮影した BTF画像(Bidirectional Texture Function)が広く使用されているが、 高解像度ディスプレイに拡大表示した場合、ジャギー(ギザギザ)が目立つという問題がある。 本研究では、BTF画像を超高解像度表示に適したベクタ画像へ変換する手法を開発し、 超高解像度な質感の表現を可能にする。

単一カーボンナノチューブ架橋トランジスターによるフォトルミネッセンスのゲート制御
kato

東京大学大学院工学系研究科 准教授
加藤 雄一郎

助成額 100万円

単層カーボンナノチューブは、直接バンドギャップを持ち、通信波長帯でも発光する。さらに、他の光学活性なナノ材料とは異なり、電極を付けるのが比較的容易であるほか、ゲート電圧による制御性もよいため、ナノスケールの光デバイスとして利用する上で魅力的である。そこで、単層カーボンナノチューブを一本だけ組み込んだ架橋型電界効果トランジスターで、フォトルミネッセンスをゲート制御することを目指す。

インターネット放送システムにおける多チャネル配信方式の構築
goto

岡山大学 大学院自然科学研究科 助教
後藤 佑介

助成額 100万円

多くのチャネルを用いて複数のコンテンツデータを配信するインターネット放送システムにおいて、 複数のチャネルを利用して受信中の待ち時間を短縮するデータ配信方式を構築する。データの配信スケジュールを作成してシミュレーションモデルを確立することで、最適なネットワーク環境で発生する待ち時間の最小値を算出することを可能とし、実環境で行うデータ配信で発生する待ち時間に よるネットワークへの影響を推定できる。
エネルギーリサイクル型断熱的論理回路によるスマートカード用ICの研究開発
takahashi

岐阜大学工学部 助教
髙橋 康宏

助成額 100万円

非接触ICカードなどスマートカードは電力供給が限られているため、カードに搭載される集積回路(IC)は、低消費電力かつセキュアなものが要求される。本研究は、従来のCMOS論理回路からなるICよりも低消費電力特性を示す断熱的論理回路を用いてIC設計し、ハードウェアの面よりセキュアなスマートカード用ICの技術確立を目指す。
微小光共振器を用いた光回路による超低電力信号処理の実現に関する研究
tanabe

慶應義塾大学理工学部 専任講師
田邉 孝純

助成額 100万円

光技術に支えられている高速ネットワークは情報・通信の基盤の一つであるが、伝送量の増大とともに信号処理に必要な消費電力も増加の一歩を辿っている。それを解決するためには、極めて小さな電力情報処理ができるオール光信号処理回路を実現する必要がある。本研究では、その基本素子となる光スイッチの超低電力化を材料及び光の閉じ込め手法を工夫することで実現させる。
コグニティブ無線ネットワークの実現に向けた上位レイヤと下位レイヤの効率的な連携(クロスレイヤ)制御に関する研究
tsukamoto

九州工業大学大学院情報工学研究院 助教
塚本 和也

助成額 100万円

従来のコグニティブ無線研究は主に干渉、センシング、資源割り当てなどの下位レイヤに着目してきた。そこで申請者はコグニティブ無線機能を持つ各端末が接続して形成されるコグニティブ無線ネットワークを見越し、ネットワークワイドな視点から上位レイヤ、特にMACレイヤ以上の技術課題の研究を進めてきたが、物理レイヤの影響は考慮できていない。そこで、上位から下位レイヤまでを統合的に考慮可能な新しいプロトコルの提案を行う。
次世代光・無線統合ネットワーク向け高機能トラフィック制御技術に関する研究
nishiyama

東北大学大学院情報科学研究科 助教
西山 大樹

助成額 100万円

ギガビット通信を可能にする光ネットワーク、モバイル端末からの柔軟なアクセスが可能な高速無線ネットワークを統合した光・無線統合ネットワークが、次世代のユビキタスネットワークとして期待されている。しかし、トラフィックの集中による通信品質の低下や、ユーザ間の不公平性などが問題として指摘されている。本研究ではこれらの問題を解決するトラフィック制御プロトコルの創出を目指す。
携帯電話におけるネットワークセンシングプラットフォーム
niwat

三重大学大学院工学研究科 助教
テープウィロージャナポン ニワット

助成額 100万円

周りの様々な情報を取得し、それらの情報を共有可能とする携帯電話におけるセンシングプラットフォームを構築する研究に取り組んでいる。今後の研究課題として、データの取得やデータの送受信における消費電力節減のため、複数台の携帯電話による協調型センシングプロトコルを提唱する。また、ユーザとのインターアクションを適宜行うために、適応的行動推定アルゴリズムの確立を目指す。
認知適応的強化学習エージェントの開発
notsu

大阪府立大学大学院工学研究科 助教
野津 亮

助成額 100万円

本課題では探索空間を自らの試行錯誤の過程の中で徐々に分節化する強化学習機構を備えたエージェントの開発を行う。エージェントが自らの限られた扱える情報量やメモリの中で状況をどのように分けて考えていけばよいかを学習していく。コミュニケーション技術(プレゼンテーション支援)など社会心理学の立場から適切な出力を学習するエージェントを提案、実装することを目指す。
アスペクト指向とモデル駆動に基づく高効率なディペンダブルWeb 開発
washizaki

早稲田大学基幹理工学部 准教授
鷲崎 弘宜

助成額 100万円

真に「頼れる」Webシステム開発にあたり、モジュール群へ散らばるディペンダビリティ確保の仕組みやモジュール間の高信頼接続関係を、別モジュールへと局所化し後に自動合成するアスペクト指向プログラミング、および、開発上流のモデルの段階からディペンダビリティ要求を分離し同プログラミングへ落とし込むモデル駆動開発をまとめたモデル駆動アスペクト指向開発手法を実現し、実問題への適用を通じて有用性を実証する。

(所属、役職は助成当時のもの、五十音順)

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「生命科学・医学」分野

初期発生で血液循環が始まるまでの血管・血球の相互作用の解明
iida

京都大学大学院医学研究科 グローバルCOE特定研究員
飯田 敦夫

助成額 100万円

脊椎動物の初期発生において、最初の赤血球は血管外領域で発生し、脈管内への移動過程を経て循環を開始する。我々は世界で初めて、この過程を生きた個体で撮影することに成功し、脈管内への侵入時に赤血球が血管内皮細胞と相互作用していることを明らかにした。本研究はその相互作用の本質を明らかにし、造血から循環に至るまでの分子機構の解明を目的とする。
上皮細胞の細胞接着に関わる脂質分子の機能解析
ikenouchi

京都大学大学院工学研究科 准教授
池ノ内 順一

助成額 100万円

私たち多細胞生物のからだは、数兆個の細胞から構成されており、細胞同士は高度に発達した接着装置により結合している。細胞接着装置を構成する膜タンパク質について、これまで多くの知見が得られている。一方で、細胞接着装置における細胞膜を構成する脂質分子の組成については殆ど明らかになっていない。本研究提案では、細胞間接着装置の形成に関わる脂質分子を同定し、その機能を解明することを目的とする。
老化血管内皮細胞による炎症性サイトカイン発現制御機構の解析
ito

千葉大学大学院医学研究院 グローバルCOE特任研究員
伊藤 孝

助成額 100万円

本研究は動脈硬化性疾患の発症・進行の原因である慢性炎症の分子機構を解明することを目的とする。慢性炎症の原因が、老化した血管内皮細胞が動脈硬化巣内で増加することであると仮説を立てる。特に老化血管内皮細胞が表現型として、炎症性サイトカインを持続的に発現することに注目し、その発現制御機構を解析する。その機構としてこれまでの検討で同定した転写因子NFκBとSTAT1に注目し解析を進める。
マラリア原虫感染による宿主造血細胞の制御機構とミトコンドリア関連性の解明
inoue

杏林大学医学部 助教
井上 信一

助成額 100万円

マラリアにおける宿主免疫担当細胞による防御機構に関しては多くの研究が進められているが、それらの細胞を供給する造血細胞へのマラリア原虫感染による影響に関してはほとんど解明されていない。本研究では、マウスマラリアモデルを用いて、マラリア原虫感染による造血細胞の性状変化、遺伝子発現変化を解析する。特にミトコンドリア機能との関連性に注目し、マラリア感染による宿主造血細胞の制御機構の解明を目指す。
新規可溶性Wnt活性化物質を標的とした心不全・糖尿病治療法、および抗老化法の開発
naito

大阪大学大学院医学系研究科 助教
内藤 篤彦

助成額 100万円

Wntシグナルは発生学や癌研究において注目されてきたが、近年、老化した個体の血中にWntシグナルを活性化する老化促進物質が存在することが報告された。我々はこの物質をすでに同定しており、新規可溶性Wnt活性化物質が老化以外にも糖尿病および心不全でも増加していることを見出している。本研究では新規可溶性Wnt活性化物質を標的とした糖尿病、心不全の治療法、および抗老化法を開発することを目的としている。

低酸素腫瘍組織における放射線誘発DNA-タンパク質クロスリンク損傷の解析
nakano

広島大学大学院理学研究科 助教
中野 敏彰

助成額 100万円

重粒子線治療に用いられる炭素イオン線は細胞に対し致死作用を示す。低酸素性細胞(癌細胞)では正常細胞には認められないDNA-タンパク質クロスリンク損傷(DPC)が生成する。そこで癌細胞の致死に対するDPCの寄与を明らかにし、効率的に癌細胞特異的なDPC損傷の誘導条件を確立する。この研究は先進医療につながる癌の基礎研究実験である。

上皮細胞におけるIL-33発現誘導機構の解明
matsushita

兵庫医科大学先端医学研究所アレルギー疾患研究部門 助教
松下 一史

助成額 100万円

近年、アレルギー疾患の発症において上皮細胞由来のIL-33が重要な役割を果たしていることが明らかにされ、アレルギー疾患における新たな治療ターゲットとして注目されている。本研究では上皮細胞におけるIL-33遺伝子の発現誘導に必要な細胞内シグナルならびに転写因子の解明を行う。
神経樹状突起による動物行動符号化の解明
murayama

独立行政法人理化学研究所脳科学総合研究センター チームリーダー
村山 正宜

助成額 100万円

神経細胞の樹状突起上での情報統合様式は、記憶想起や注意などといった脳の高次機能も含めた動物の行動に関連して変化することが予測される。しかしこの仮説は未だ検証されていない。そこで本研究では樹状突起活動の光学的測定法と実験動物心理学的手法を組み合わせて、樹状突起活動と動物行動との因果関係を解析する。
インビボ・イメージングを用いた肥満による老化促進機構の解明
yamakoshi

財団法人癌研究会癌研究所がん生物部 研究員
山越 貴水

助成額 100万円

近年、代表的な生活習慣病である肥満が脂肪組織の「細胞老化」を引き起こすことで糖尿病の発症や個体老化を誘導することが報告されているが、その詳細については不明な点が多い。本研究では、申請者が最近開発に成功した細胞老化誘導因子p16 の発現動態を生体内でリアルタイムに測定できるシステムを用いて、肥満過程で起こる細胞老化反応を生体内で可視化することにより、肥満が老化を加速させる分子メカニズムを解明する。

細胞分裂依存的発現をするNotchシグナル関連因子の心臓形成における機能
watanabe

東北大学加齢医学研究所 助教
渡邉 裕介

助成額 100万円

機能未知の因子であるStrawberry Notch1に注目して、特に心臓形成における機能を解析する。また、Strawberry Notch1の細胞分裂過程での発現・局在変化をリアルタイムイメージングにより追跡し、細胞分裂における機能を明らかにする。

(所属、役職は助成当時のもの、五十音順)

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