2013年

1分野10件、計20件の募集を行い、選考委員会による厳正なる選考の結果、次の若手研究者18名の研究テーマが採択されました。

研究助成一覧

「物質、材料、生産」分野(10名)

アルコールから炭化水素を製造する新しい機能複合化ゼオライト触媒の開発
imai

北九州市立大学 国際環境工学部 エネルギー循環化学科 講師
今井 裕之

助成額 100万円

天然ガスやバイオマスから製造可能なメタノールなどの非石油原料からの炭素水素の生成は炭素資源の有効利用の観点から重要になっている。従来の固体触媒による転換反応では多様な炭化水素が一度に生成し、目的物の生成功率は低いままである。本研究では、目的とする炭素水素の選択的な生成を目指して、ゼオライト触媒を基礎に金属や金属酸化物の異なる機能を複合化させた新規固体触媒の開発を目的とする。

ナノリットルコアと抗酸化性磁性液体シェルを持つコアシェルエマルションの作製と制御
uchida

大阪大学大学院 基礎工学研究科 物質創成専攻化学工学領域 助教 
内田 幸明

助成額 100万円

ナノリットルサイズの担体は生化学・薬物送達などの分野で非常に重要である。本研究では、磁気誘導が可能なナノリットル担体として、ナノリットルサイズのコアとニトロキシドラジカル(NR)液体のシェルから成るW/O/Wコアシェルエマルション(NRシェル)を作製する。

その際、マイクロ流体デバイス技術を利用して、単分散なNRシェルを作製する。さらに、磁場応答性と抗酸化作用を持つ担体として機能することを確かめる。

革新的有機n型半導体への応用を指向した安定な反芳香族化合物の開発
kato

群馬大学 理工学研究院 分子科学部門 助教
加藤 真一郎

助成額 100万円

不安定化学種である反芳香族化合物を独自の分子修飾法により安定化し、その優れた電子求引性を利用した革新的なn型半導体材料の開発に挑戦する。本研究を通して、反芳香族化合物の有機エレクトロニクス材料としての潜在的有用性を明らかにし、「反芳香族化合物の電子的特性」を活かしたn型半導体開発に向けての新概念を提供する。
エクセルギー損失を最小化したプロセスの設計と運転の基礎研究
kansha

東京大学生産技術研究所 エネルギー工学連携研究センター 特任准教授
苷蔗 寂樹

助成額 100万円

温暖化の抑制や化石燃料の高騰に伴い、産業プロセスの省エネルギー化が望まれている。本研究では我々が提案してきた自己熱再生技術を基盤とし、プロセス内で、プロセス流体のもつ自己熱のみならず他のエネルギーも全て循環利用し、省エネルギー化を行う。さらには、その過程におけるエクセルギー損失を最小化したプロセス設計手法とそのプロセス運転システム設計手法の提案を行う。
繊維状ウイルスからなる機能性ハイドロゲルの創製

sawada東京工業大学大学院 理工学研究科 有機・高分子物質専攻 助教
澤田 敏樹

助成額 100万円

本研究では、繊維状ウイルス(ファージ)を構成要素として新奇なハイドロゲルの構築とその応用の可能性を明らかにする。ファージは無毒であり、遺伝子産物であるため極めて高い単一性をもち、遺伝子工学により自在に機能性基を導入できる。これらの特徴を利用し、表面近傍から内部まで均一なハイドロゲルを構築する。細胞培養のためのマトリックスとして応用し、望みの機能を導入できる高機能性ハイドロゲルの構築を目指す。
ナノポーラス金属の環境感知機能開拓

hakamada京都大学大学院 エネルギー科学研究科 エネルギー応用科学専攻 助教
袴田 昌高

助成額 100万円

nmオーダの金属骨格と開気孔からなるナノポーラス金属の環境感知機能を開拓する。種々の条件でナノポーラス金属を作成し、周囲の環境(液相および気相)に対する電位応答性を調査する。得られる成果は金属表面と周囲環境との相互作用を普遍的に理解するのに役立つだけではなく、ガスセンサや濃度センサへの応用につながる。

高密度電子流衝突を利用した金属疲労損傷治癒による疲労寿命延命メカニズムの解明

hosoi名古屋大学大学院 工学研究科 機械理工学専攻 助教
細井 厚志

助成額 100万円

本研究は、高密度の電子流を金属原子に衝突させることにより原子拡散現象を誘起させ、金属原子の再配列・再結合による疲労損傷治癒を世界に先駆けて実現し、疲労損傷治癒のメカニズムを解明することを目的とする。本技術は、機械・構造物の高齢化・老朽化に伴う事故や災害等を防止すると共に長寿命化を図り、「ライフサイクルCO2削減」といった観点から、我が国の環境負荷の低減に多大に貢献するものである。
光エネルギーを用いる触媒的アルコール還元反応の開発

matsubara神戸大学大学院 理学研究科 化学専攻 准教授
松原 亮介

助成額 100万円

重金属を用いず、短工程で廃棄物が少ない環境調和型酸化還元反応の開発は現在もなお強く求められている。本研究では、「光エネルギーを用いる有機分子触媒的アルコール還元反応の開発」を目的とする。通常C-OH結合の還元は、あらかじめOH基を活性化した後に還元剤を施す多段階の方法がとられるが、本研究では一段階にて達成する。この手法を応用して、二級アルコールのみ選択的に還元する手法を開発する。
亜鉛還元による太陽電池級シリコンの高速連続製造法に関する研究
yasuda

京都大学 環境安全保健機構 助教
安田 幸司

助成額 100万円

太陽電池用途に使用する高純度シリコンを四塩化ケイ素の亜鉛還元により、高速で連続的に製造するプロセスは過去にも検討されてきたが、生成シリコンの形状制御が難しく、反応装置のラインを閉塞させるなどの理由で、連続化が困難であった。本研究は、亜鉛還元法における生成シリコンの形態を制御する決定因子の解明を行い、プロセスの連続化を可能にさせるための知見を得る。
合金の異相界面構造の安定性解明の為の理論計算手法の開発

yuge京都大学大学院 工学研究科 材料工学専攻 助教
弓削 是貴

助成額 100万円

本研究では、第一原理計算に立脚して合金の界面、特に異種構造間の複雑な界面を陽に含むnm~μmスケールの系の熱力学的安定性や界面偏析挙動をmeV/atomオーダーで高精度に予測できる理論計算手法の開発と応用を目指す。

(所属、役職は助成当時のもの、五十音順)

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「生物生産、生命環境」分野(8名)

トマトへのアンモニア耐性の付与による生育・生理障害の軽減と果実の高機能化に関する研究
kinoshita

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
畑作園芸研究領域 研究員
木下 貴文

助成額 100万円

本研究では、アンモニア耐性が非常に弱いトマトにアンモニア耐性を付与することで、施肥窒素中のアンモニア態窒素の割合を高めても尻腐れ果が少なく、果実中の機能性成分が高まる栽培法の開発へと展開するための研究基盤を確立する。そのために、トマトを強アンモニア耐性であるナスに接ぎ木することによってアンモニア耐性が付与されるかを検討するとともに、窒素代謝面から各植物のアンモニア代謝の違いについて明らかにする。
長野県の半自然草原に生息しているチャマダラセセリの保全・保護に関する生態学的研究
kouda

信州大学 山岳科学総合研究所 助教
江田 慧子

助成額 100万円

近年、多くのチョウが絶滅に瀕している。私はこれまでオオルリシジミとミヤマシジミの保全に関する研究を行なってきた。そこで本研究の目的は、今までの絶滅危惧種の保全研究手法を基に、長野県半自然草原で絶滅危惧に瀕しているチャマダラセセリを新規に研究し、保全技術を確立することである。これらの成果から、絶滅危惧種のチョウが人間と共存していく新しい未来の里山のデザインを創造するモデルとなることが期待される。
外来植食性昆虫の農業害虫化を引き起こす食草範囲拡大のメカニズム解明
koyama

東京農工大学大学院 農学研究院動物生命科学部門 助教
小山 哲史

助成額 100万円

植食性昆虫は新しい植物種を食草として利用することがある。そのような食草範囲拡大は農作物への食害を引き起こす可能性が高く、メカニズム解明が望まれている。しかしこれまで、そのような進化過程の観察は困難であり、実証研究が不足している。本研究は、日本に移入後、食草範囲を拡大させたブタクサハムシと食草となったオオブタクサを用い、植食性昆虫の食草範囲拡大のメカニズムを明らかにする。

氷コアに含まれる人為起源物質と生命環境起源物質の計測技術に関する研究
sakurai

公益財団法人 レーザー技術総合研究所 レーザープロセス研究チーム 研究員
櫻井 俊光

助成額 100万円

持続可能な発展を目指すために我々は、今後も環境技術を駆使し、自然と共存することが求められている。産業革命から現在まで、人間活動と生命環境の変動を評価することは容易なことではない。そこで本研究は、レーザー分光法を利用して、氷コアに含まれる人為起源物質と生命環境起源物質を計測し、環境変化と生命環境の変動を評価することを目的とし、今後の生命環境保全の重要性を社会へ波及することをめざすものである。
サブ・サハラアフリカにおける『マメ科植物・ルーピン』を用いた難溶性リン利用技術の開発
sugihara

京都大学大学院 地球環境学堂 陸域生態系管理論分野 特定研究員
杉原  創

助成額 100万円

食糧飢餓が慢性化するサブ・サハラアフリカにおいて、生物生産技術の構築は喫緊の課題であり、特にリン資源利用技術の確立は積年の課題である。本研究では、土壌中の難溶性リンを多く可給化・吸収できるマメ科植物・ルーピンに着目し、当地域特有の土壌・気候条件下で、ルーピンの土壌難溶性リンの可給化能とその規定要因を解明することで、ルーピンのリン可給化能が最大となるルーピン栽培技術=難溶性リン利用技術を開発する。
衛星画像を用いた転換畑土壌の乾湿評価
fuchiyama

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 研究員
渕山 律子

助成額 100万円

排水性等の圃場の乾湿情報は、播種作業や生物生育に影響するため、大規模に転換畑を管理する”担い手”の作付け計画・作業計画の意思決定に有用である。私は降雨後3時期の航空写真から転換畑の乾湿を圃場毎に評価する手法を開発してきた。本研究では、この手法を衛星画像を適用して汎用性を高め、広域に営農を展開する担い手に提供できる転換畑圃場の乾湿区分図を作成する。
紫外線照射を選択圧に利用したアスタキサンチン生産微生物の突然変異育種
mano

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 研究員
真野 潤一

助成額 100万円

アスタキサンチンは非常に高い抗酸化作用をもつ機能性素材として近年注目を集めており、その効率的な生産法が求められている。本研究では、現在行われている発酵生産の生産性向上を目的として、アスタキサンチン生産微生物の突然変異育種を行う。特に、アスタキサンチン高生産変異株を効率的に選抜するために紫外線照射を選択圧として利用する新規育種法について検討を行い、これまでにない高生産株の作出を目指す。

水田土壌の生物的鉄酸化機構の解明に向けた新奇微好気性鉄酸化菌に関する研究
watanabe

名古屋大学大学院 生命農学研究科 生物機構・機能科学専攻 助教
渡邉 健史

助成額 100万円

水田土壌の鉄の酸化反応は、温室効果ガスであるメタンの生成、土壌のリンやケイ素、またカドミウム、ヒ素など重金属類の挙動に影響を及ぼす。これまで、水田土壌では非生物的参加が鉄酸化の主反応と考えられていたが、近年、淡水環境の微好気的部位において生物的鉄酸化反応の重要性を示す知見が報告されている。そこで本研究では、水田土壌の鉄酸化菌の生理・生態を明らかにすることで、生物的鉄酸化機構の解明を目指す。

(所属、役職は助成当時のもの、五十音順)

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